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育児と仕事の両立制度を整備する企業への支援

SAS助成金通信 2026年(令和8年)2月号
両立支援等助成金
柔軟な働き方選択制度等支援コース
令和7年10月改正 育児と仕事の両立を「実際に使える制度」として整備する企業への支援

育児と仕事の両立支援は、いまや「制度があるか」ではなく、「実際に使えているか」が問われる時代になりました。令和7年10月施行の育児介護休業法改正では、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者について、事業主が「育児期の柔軟な働き方を実現するための措置」を複数用意し、本人が選べる状態を整えることが求められます。

本コースはいずれも中小企業向けで、制度整備を"人材定着の投資"として進める企業にとって活用しやすい枠組みです。

このコースの2つの支援メニュー
① 柔軟な働き方選択制度
育児期に柔軟性を高める制度を3つ以上導入し、実際に対象者が一定期間利用した場合に支給
② 子の看護等休暇制度の有給化
法定水準より手厚く有給化する取り組みに対する支援
1 柔軟な働き方選択制度
対象となる制度

「柔軟な働き方選択制度」の対象は、育児期に柔軟性を高めるための次の制度群です。

フレックスタイム制度または時差出勤制度(両方導入しても1制度としてカウント
育児のためのテレワーク等
短時間勤務制度
保育サービスの手配や費用補助
養育両立支援休暇制度(有給休暇付与のものに限る)
注意:フレックスタイムと時差出勤は両方導入しても「1制度」のカウントです。制度数の要件を満たすために両方入れたのに、申請段階で「制度数が足りない」とならないよう、設計段階で整理してください。
助成内容
導入制度数 支給額(利用者1人当たり) 対象者上限
3制度 20万円 1事業主当たり最大5人
4制度以上 25万円

加算も用意されていますが、加算だけの受給はできません。まずは本体要件を確実に満たすことが重要です。利用実績について短時間勤務以外は、子が3歳に満たない労働者の利用も含まれます。

実務上のポイント

実務で最も大切なのは、次の流れを時系列で崩さないことです。

STEP 1 就業規則等への規定(制度利用開始日の前日までに整備完了)
STEP 2 育児に係る柔軟な働き方を支援していく方針を社内周知(書面作成・社内掲示・電子周知等)
STEP 3 対象者との面談を実施し「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」を作成(業務体制・キャリア形成の措置を含む)
STEP 4 利用実績の管理(1制度を選んで利用開始から6か月間で一定基準以上)

単に「テレワークを認めます」「短時間勤務にします」だけでは足りず、業務の回し方・引き継ぎ・評価育成の考え方といった運用面まで落とし込むことが実務上のポイントです。

利用実績についての留意点
複数制度を同じ期間に併用しても、実績として合算できません
押印だけの出勤簿など実態が確認しづらい運用だと審査で対象外となり得ます
既にその労働者が活用している制度(例:雇用当初からテレワーク勤務の者への育児テレワーク適用)は利用実績として判断されません
申請期限
原則として、制度利用開始日から6か月を経過する日の翌日から2か月以内に申請が必要です。面談日・利用開始日・6か月経過日・申請可能期間を、最初にカレンダーで可視化しておくと取りこぼしを防げます。
2 子の看護等休暇制度の有給化

法定の子の看護等休暇より手厚い内容として、有給での付与や日数・取得単位などを整える取り組みへの支援です。要件の中核は次のとおりです。

年次有給休暇とは別枠で年10日以上付与
時間単位の取得・中抜けを可能にするなど実際に使いやすい設計
小学校第3学年修了までの子を養育している雇用保険被保険者がいれば、利用実績がなくても対象になり得ます
よくある制度設計上の落とし穴
×パートタイム労働者や有期契約労働者を一律に対象外とする規定(支給要件を満たさないと判断されやすい)
×雇用当初から活用している制度を改めて「利用実績」として計上しようとする
×フレックス・時差出勤・テレワークの頻度要件・短時間勤務の短縮幅等の細かい要件を未確認のまま制度化する
制度導入はコストではなく、定着・生産性・採用力を高める投資です

まずは自社の職種や業務の特性を踏まえ、実装可能な制度を3つ(できれば4つ)選び、就業規則の整備と運用設計・面談と支援プラン・勤怠利用実績の記録まで一気通貫で整えることが、最短で成果につながる進め方です。

令和8年度には、障害や医療的ケアを要する子を持つ労働者を対象に制度利用期間を18歳まで引き上げた場合に1事業主当たり20万円加算(1回限り)が予定されています。

厚生労働省 公式情報・リーフレット(令和8年4月現在)
最新の要件・支給額・申請書類等は、厚生労働省の公式ページでご確認ください。
厚生労働省 両立支援等助成金(柔軟な働き方選択制度等支援コース) のページを見る ↗
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