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8割が人手不足、それでも採用頼み― AI活用が今後の主戦場になる人材戦略の現実

経営情報 / 2026年7月
8割が人手不足、それでも採用頼み
AI活用が今後の主戦場になる人材戦略の現実
「人が足りない」という声は今や業種・規模を問いません。財務省が2026年4月に発表した調査によると、8割以上の企業が人手不足感を抱えており、うち59%は「求人を出しても採用できない」状態です。にもかかわらず現状の対応策の筆頭は依然として「採用の強化」。しかし今後の方向性に着目すると、AI活用や省人化投資への急激なシフトが見えてきます。
調査の概要——全国1,094社の人材戦略の実態
財務省「全国財務局管内経済情勢報告概要(令和8年4月)地域企業の人材戦略(特別調査)」は、各財務局がヒアリングを行っている企業を対象に、2026年3月上旬〜4月上旬に実施された調査です。全国計1,094社の回答から、人材不足の実態と対応策の現状・今後の方向性が分析されています。
人手不足感の実態——「求人を出しても採れない」が6割
調査による人手不足感の内訳は次の通りです。
状況 割合
求人を出しているが人手を確保できていない 59%
求人を出したいが人件費等が負担で出せない 2%
人手不足感はあるが求人を出すほどではない 7%
人手不足感はあるが上記に該当しない 13%
人手不足感なし 19%
出典:財務省「地域企業の人材戦略(特別調査)」をもとに作成
「人手不足感なし」は19%に過ぎず、8割超の企業が何らかの人材不足を感じています。特に深刻なのは「求人を出しても採れない」という59%の層で、採用活動を続けているにもかかわらず人材確保が困難な状況が広がっています。企業規模別では中小企業で人手不足感がない割合が最も低く、中小企業ほど深刻な状況であることがわかります。
現状の対応策と今後の方針——「採用強化」から「AI活用」へのシフト
人手不足への現状の対応策(複数回答)を見ると、中小・中堅・大企業のいずれでも「人材獲得策の強化」(採用強化)がトップです(中小77%、中堅79%、大企業79%)。しかし今後の方針と現状を比較すると、大きな変化が見えてきます。
人手不足対応策:現状と今後の比較(中小企業、複数回答%)
対応策 現状 今後 変化
人材獲得策の強化 77% 67% ▼10
AI活用 18% 31% ▲13
自動化・省人化投資 30% 38% ▲8
既存従業員のリスキリング 35% 36% ±1
多様な人材活用 39% 35% ▼4
出典:財務省「地域企業の人材戦略(特別調査)」をもとに作成
最も注目すべき変化は「AI活用」です。現状18%から今後31%へ、13ポイント増という大幅な上昇を示しています。中堅企業(26%→39%)、大企業(39%→51%)でも同様の傾向があり、規模を問わず今後の主力対応策としてAI活用が位置づけられています。
採用を続けながら、社内でできることを同時並行で進める重要性
採用を強化することは引き続き重要ですが、採用だけに頼る戦略は限界を迎えています。働く人口が減少するなかで、「採用で穴を埋める」という発想から「少ない人数でより多くの成果を出す」という発想への転換が求められています。
具体的には、既存従業員の配置転換・スキルアップ(リスキリング)・AI・ITツールの導入・業務プロセスの見直しなど、採用以外の施策を組み合わせることが重要です。また「多様な人材活用」として、高齢者・障害者・外国人労働者・副業人材なども選択肢に入れた人材ポートフォリオの多様化も有効です。
ポイントまとめ
8割超の企業が人手不足感あり。「求人を出しても採れない」企業が59%と最多。中小企業ほど深刻。
現状の対応策は「採用強化」が首位だが、今後はAI活用(現状18%→今後31%)・省人化投資(30%→38%)が急増予定。
採用一辺倒の戦略は限界。リスキリング・AI・多様な人材活用の組み合わせが次世代の人材戦略。
「少ない人数でより多くの成果を出す」視点で、就業規則・勤務形態・評価制度の見直しも有効。
SASより
人材不足への対応として採用を強化する際には、求人票の記載内容・労働条件の整備・入社後の定着率向上が一体で重要です。採用コストをかけても早期離職が続く場合は、職場環境や処遇制度の見直しが先決なことがあります。採用と定着の両面からご相談いただける体制を整えています。
※本記事は2026年7月時点の法令に基づく内容となっております。
人材定着・処遇制度の見直しはこちら →
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