働き方改革5年後の労働者の本音
厚生労働省「働き方改革関連法施行後5年の総点検」(2026年3月発表)から、労働者の労働時間に関する認識と、その背景にある理由が明らかになりました。職場環境づくりの参考として、経営者・人事担当者に押さえておいていただきたい内容です。
3,000人の労働者を対象とした調査では、労働時間について「このままでよい」が59.5%と最多。一方で「やや減らしたい」(18.2%)+「減らしたい」(11.7%)を合わせると、約3割が労働時間の削減を望んでいることがわかります。
| 労働時間についての意向 | 割合 |
|---|---|
| このままでよい | 59.5% |
| やや減らしたい | 18.2% |
| 減らしたい | 11.7% |
| やや増やしたい | 7.3% |
| 増やしたい | 3.2% |
2位:自身の健康を害しないため(39.6%)
3位:長時間労働をしても収入が割に合わないから(30.0%)
2位:収入を維持したいから(32.0%)
3位:これ以上増えると体調に影響が出るから(16.3%)
2位:自分のペースで仕事をしたいから(19.7%)
「このままでよい」が6割という数字は表面上穏やかに見えますが、その内訳には「増やしたくないが減らすことも難しい」という状況も含まれています。残業削減・有給取得促進・柔軟な働き方の導入といった取組みは、法令遵守・採用競争力の観点から重要であることは間違いありません。
一方で、近年は「ホワイトハラスメント」という言葉が示すように、一律の「ホワイト化」がかえって逆効果になるケースも出てきています。「残業ゼロ・有給完全取得」を強制的に推進した結果、「稼げなくなった」「仕事の達成感がなくなった」と感じる従業員が離職するという現象です。今回の調査でも「増やしたい」理由の1位が「たくさん稼ぎたい」(41.6%)であることは、この問題の一側面を示しています。
大切なのは、自社の業種・職場環境・人員構成・経営方針を踏まえた上で、個々の従業員との対話と合意形成を重ねながら、実態に合った働き方のルールを構築することです。「法律を守りながら、社員が納得して働ける職場」を目指すには、画一的な対応ではなく総合的なアプローチが求められます。就業規則の整備・労働時間管理の見直し・個別の合意形成のプロセスについて、ご相談があればお気軽にお声がけください。
※本記事は2026年4月30日時点での法令に基づく内容となっております。
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