一般に、年金受給世代（60歳以上）のシニア経営者・役員の方は、毎月の役員報酬が高額なため、「在職老齢年金制度（＊1）」という仕組みにより、老齢厚生年金が全額支給停止になっている（又はこれからなる）ケースがほとんどです。この支給停止となった年金は、その後一生もらえることはなく、俗に”戻らない年金”と言われております。

　仮に100万円以上の老齢年金が停止されているとするなら、何も対策を取らなければ、65歳までで300万円以上、70歳までで1000万円以上の損失が生じるともいえ、同時に、厚生年金保険料を折半負担している会社としても大きな負担となり得ます。

　国の年金財政が逼迫している中、富裕層の年金が停止になるという仕組み自体は理解ができる一方で、特に、経営環境の変化が激しく、また社員の雇用責任や個人保証等のリスクも負っている中小企業の経営者には、一定のルールの下、一律に年金が支給停止されることに納得ががいかず、何とかこの年金を受け取れる方法はないかと考えられる方も多いのではないでしょうか。また、最近ですと、後継者不足の問題もあり、高齢になっても業務執行権のある役員を退任することができず、年金を受け取れないという悩みをお聞きすることも非常に多くなっております。

　この度のセミナーでは、会社経営上の観点から、「役員報酬の支払い方の見直し」「年金の支給停止を解除（年金復活）する方法」について解説します。単に小手先の手法で社長個人の手取りを増やすためというよりも、会社の事業承継の問題解消やその後の社長のリタイアメントプランニングにお役立ていただくことを本来の目的としています。

　ご興味のある方は、ぜひセミナーにお越しください。会場でお待ちしております。

（＊1）現在、在職老齢年金制度の見直しが検討されておりますが、直近の年金財政検証、社会保障審議会年金部会、その他報道資料等の情報を踏まえますと、改正は数年先、又全面廃止ではなく、基準額が若干上がる程度で、高額報酬の社長・役員の場合、引き続き一定の制限（年金の支給停止）を受けるものと想定されます。いずれにしましても、当面は現行制度を前提として、対策を検討されることをお勧めします。

※「在職老齢年金制度の見直し」に関しては、セミナーの中でも補足・解説いたします。

1. 「社長の年金ゼロ問題」とは？
2. 「支給停止」された年金は、事実上「消滅」と同じ
3. 「支給停止」となるかどうかは、「年収」とは無関係という事実
4. ほとんどの社長が勘違いしている「支給停止」と「繰下げ」の関係
5. 要注意！知らないうちに”不正受給”になるケースとは？
6. 「支給停止」を解除する3つの方法
7. 年収を変えずに年金を全額受け取る方法とは？　　　ほか

〔講師〕

佐藤　創（弊所代表）