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#7:「働き方改革」のコノテーション

 「働き方改革」という言葉もかなり浸透してきているようですね。実際には数年前から使われていたようですが、公式には、「1億総活躍社会の実現」というメッセージとともに平成28年8月の第3次安倍内閣の発足時に基本方針と位置づけられたのが始まりと言われています。

 

 中には、もう聞き飽きた、強引な残業削減などで却って働きにくくなったなど、ネガティブな印象を持っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

 こうなると、その会社の方針や取り組み姿勢が真っ先に批判されたりするわけですが、そもそものところとして、この手のワードが広まる過程においては、さまざまな解釈が成立してしまい、当初の目的とのずれが大きくなってしまうという本質的な問題が隠されています。

 

 哲学者バルトは、言葉の体系について、明示的意味(デノテーション)と潜在的意味(コノテーション)に区分けし、私たちの社会や行動はこの「コノテーション」によって支配され、制限されると看破しました。

 

例えば、「東大」という言葉のデノテーションは、”東京都文京区本郷に本部を置く国立大学”となりますが、コノテーションは、”頭がいい””勉強好き””エリート”となるなど。

 

 

「働き方改革」という言葉については、どうでしょうか?

 

 IT業界では、「ITツールの活用」、教育・研修業界では、「意識改革・風土改革」、そして我々のような法律関連の専門家の間では「法令順守」・・・。もちろん、どれも間違っているわけではなく、というよりもどれも必要ではあるのですが、その抽象度の高さと資本主義社会の論理も相まって、各業界の都合の良いように解釈されやすく、その結果、どうしても手段の目的化が生じやすく、受け手が混乱する状況が見受けられます。かつて、「リストラクチャリング」という言葉が、元々は、「事業の再構築」という意味であったものが、いつからか「人員削減」「整理解雇」という意味で使われていたことがありましたが、ある意味それに通じる部分もあるかもしれません。

 この辺りは私自身も当事者として自戒を込めて強く意識しなくてはいけないと考えるばかりです。

 

 では、「働き方改革」のコノテーションとは何なのか?

 

 改めて、この場で定義をしたいと思います。

 

「働き方改革」とは、社員が働きやすい職場環境を整備するとともに、適切なキャリア支援を行い、社員のスキルアップ・モチベーションアップを図ることで、労働生産性を高め、企業の業績アップを目指すための「人材活用戦略」である。

 

やや長い印象もあるかもしれませんが、これは、所属する(社)働き方改革支援コンサルタント協会において定義した内容です。

 

具体的には、以下10のテーマに落とし込み、支援サービスを展開しています。

  1. 多様な働き方の整備
  2. 非正規社員の待遇改善
  3. 女性の活躍推進
  4. 高齢者の就業支援
  5. 若者の雇用促進
  6. 育児と介護の両立支援
  7. 介護と仕事の両立支援
  8. 長時間労働の是正(労働時間の改善)
  9. ハラスメント対策
  10. 人材開発・キャリア支援

 

「働き方改革」が何を意味するのか?

改めて自社に当てはめて考えてみてはいかがでしょうか。

 

(2019-2-1)

 

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