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2014/8/21号② 中小企業事業主が加入できる労災保険制度とは

中小企業の事業主等が

加入できる労災保険制度とは


文書作成日:2014/8/20


 そもそも労災保険は、労働者の業務または通勤における災害に対して保険給付を行う制度ですが、労働者以外の者のうち、その業務の実情、災害の発生状況などからみて、特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる一定の者については、労災保険に任意加入を認める特別加入制度というものが設けられています。そこで以下では、中小企業の事業主等が加入できる特別加入の取扱いについて解説しましょう。


1.加入できる中小企業の事業主等の範囲
 労災保険に特別加入できる中小企業の事業主等とは、以下の①②のいずれかの要件を満たす者となります。

①表に定める数の労働者を常時使用する事業主(事業主が法人その他の団体であるときは、その代表者)
②労働者以外で①の事業主の事業に従事する者(事業主の家族従事者や、中小企業の事業主が法人その他の団体である場合の代表者以外の役員など)

中小企業の事業主等が特別加入するためには、雇用する労働者について労働保険関係が成立しており、労働保険の事務処理を労働保険事務組合に委託している必要があります。

 

2.平成25年9月から拡大された給付基礎日額
 給付基礎日額とは、労災保険の給付額を算定する基礎となるもので、申請に基づいて都道府県労働局長が決定します。平成25年9月よりこの給付基礎日額が拡大され、新たに22,000円、24,000円、25,000円の3区分が追加されました。特別加入する者は事前にこれらの区分を含めた3,500円から25,000円までの16区分の中から給付基礎日額を選択することになっています。

 また、給付基礎日額を変更する際には、労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に給付基礎日額変更申請書を提出することにより、翌年度から変更することができます。この申請期間は、毎年度3月18日から3月31日となっています。また、この期間以外にも、労働保険の年度更新期間中(6月1日から7月10日まで)に当年度に適用される給付基礎日額を変更することも可能です。なお、注意点として災害発生前に申請することが前提になり、給付基礎日額の変更申請前に災害が発生している場合、当年度の給付基礎日額変更は認められません。

 給付基礎日額については、一度申請を行い決定されると変更できないと思われていることもあるようですが、上記の期間内に手続きを行うことで変更ができます。万が一、災害が発生した場合にはこの給付基礎日額に基づいて給付が行われることから、定期的に実態にあっているかを確認し、必要に応じ、見直しをしておきましょう。

 

 中小企業の事業主等(経営者・役員の方)が特別加入制度を利用するには、先に記載のとおり、労働保険事務組合に労働保険の事務処理を委託する必要があります。当事務所にご依頼の際は、現在、提携する事務組合((社)労働保険事務組合 中小企業支援センター)の委託費用について無料とさせていただいております。詳細についてお知りになりたい方は、お気軽にお問合わせください。

 

■参考リンク
厚生労働省「労災保険への特別加入」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/kanyu.html

 

※文書作成日時点での法令・情報等に基づく内容となっております。