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2014/8/21号① 中小企業の過半数が「賃金制度なし」!?

中小企業の過半数が「賃金制度なし」

 

 文書作成日:2014/8/20

 

 先日、経済産業省より、「中小企業の雇用状況に関する調査」が公表されました。調査の中身は、今年6月に全国の中小企業3万社に調査票を送って、集計したものになり(回答は10,380社)、主旨としては、平成26年の春闘結果等を踏まえた、賃上げ状況や採用状況のリサーチというところです。

 この調査項目の中で、気になる結果がありました。

 「定期昇給を含む賃金制度の有無等」という項目なのですが、賃金制度を持っていると回答した企業は49.3%、逆にいえば、過半数の企業は賃金制度がないということなのです。従業員規模別に見ると、20人以下の企業において、賃金制度を「持っている」のは25.1%、21~100人の企業では53.4%、100人超の企業では71.6%となっております。ある意味当然かもしれませんが、従業員規模が大きい企業ほど、賃金制度を備えていることになりますが、これも見方を変えれば、従業員100人超の企業でも、賃金制度がないところが3割近くあるということになります。

 

賃金制度は、従業員の不満足を解消する第一歩

 賃金制度さえ作れば、「従業員のモチベーションも上がって、労働生産性も向上し、売上・利益も必ず右肩上がりになりますよ。」と言いたいところですが、残念ながらそのようなことはありません。ただ、賃金がどのように決まるかという客観的な仕組みがない場合には、間違いなく、従業員のモチベーションはダウンし、就業上の不満足要因となります。

 このあたりの内容は、やや理屈っぽい話になりますが、著名なアメリカの臨床心理学者ハーズバーグの動機づけ・衛生理論によっても、説明がつくかと思います。

 動機づけ・衛生理論とは、職務満足および職務不満足を引き起こす要因に関する理論で、人間の仕事における満足度は、ある特定の要因が満たされると満足度が上がり、不足すると満足度が下がるということではなくて、「満足」に関わる要因(動機付け要因)と「不満足」に関わる要因(衛生要因)は別のものであるとする考え方になります。例えば、動機づけ要因には、仕事の達成感、責任の拡大、能力向上や自己成長などが挙げられ、一方で 衛生要因には、会社の方針、管理方法、労働環境、作業条件(賃金・時間・身分)などが挙げられるとのことです。

 賃金制度については、後者(=衛生要因)にあたりますので、何も手を打たないと、仕事に対する大きな不満足要因となってしまうといえるでしょう。

 特に小規模の企業(従業員数20名以下)であれば、必ずしもすぐに取り組まなくても日常の業務に支障はないのかもしれませんが、既にご説明したとおり、従業員の心理状態については留意しておいたほうがよろしいかと思われます。一度自社にあてはめて考えてみることをお勧めいたします。

 

参考サイト:中小企業の雇用状況に関する調査 集計結果の概要

http://www.meti.go.jp/press/2014/08/20140815002/20140815002-1.pdf

 

※現在、当事務所では、実質 ”無料” で賃金制度の設計・構築を行っております。

「えっ、いくら何でも”無料”はおかしいでしょ?」

 このように思われた方も多いかと思います。そうですよね。簡易的な診断・調査等ならまだしも、本格的に時間と労力をかけて設計・構築するのに、無料というのは普通に考えればおかしい(=怪しい)ということになります。

 なぜこういうことが可能かといいますと、実は現在、以下のような助成金が活用できることに因ります。

 

 中小企業労働環境向上助成金(個別中小企業助成コース)

 あくまでも、助成金申請を目的としてではなく、しっかりとした賃金制度(評価制度等含む)を設計・構築した上で、結果として助成金の対象とし、対価として助成金受給分をいただくという考え方です。

 対象業種に重点分野等(健康・環境・農林漁業等)という制限はありますが、建設や製造、電気、情報通信、運輸、スポーツ・健康、医療・福祉、廃棄物処理、介護など、かなり幅広いため、該当する事業所も多いのではないかと思われます(必ずしも主たる事業として営んでいなくても、登記簿に記載があり、事業として実態があれば可とされています。)。

 ぜひこの機会にご検討されてみてはいかがでしょうか。ご要望、確認点等ございましたら、以下よりお気軽にお問合わせください。

 

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※文書作成日時点での法令・情報等に基づく内容となっております。