ハローワークを通じた
障害者の就職件数が過去最高に
文書作成日:2014/6/26
平成25年4月より障害者の法定雇用率が2.0%(一般事業主の場合)に引き上げられたことから、障害者雇用に積極的な取組みをする企業が増加しています。先日、厚生労働省より公表された平成25年度の障害者の職業紹介状況の取りまとめの資料はそれを裏付ける内容となっています。今回はこの内容についてみておきましょう。
1.障害者の就職件数
ハローワークへの新規求職申込件数は169,522件(前年度161,941件)となっており、対前年度に比べ7,581件、4.7%増加しています。そして、障害者の就職件数は77,883件(前年度68,321件)となっており、対前年度に比べ9,562件増えており、こちらは14.0%の増加となっています。この就職件数は、身体障害者、知的障害者、精神障害者のいずれにおいても増加しており、特に精神障害者の就職件数が初めて身体障害者の就職件数を上回る結果となりました(参照下表)。
2.産業別・職業別の就職状況
産業別に就職状況をみてみると、就職件数全体(77,883件)のうち「医療、福祉」が24,393件と全体の3割強を占めており、「卸売業、小売業」10,888件(全体の14.0%)、「製造業」10,624件(全体の13.6%)と続いています。この「医療、福祉」は対前年度比でみてみると30.1%と大きく増加しています。
また職業別に就職状況を見てみると、「運輸・清掃・包装等の職業」が25,601件(全体の32.9%)と割合が一番大きくなっており、「事務的職業」 16,669件、「サービスの職業」 9,423件、「生産工程の職業」9,361件、「専門的・技術的職業」5,269件と続いています。障害種別の就職状況では、身体障害者については「事務的職業」(8,268件、全体の29.2%)、知的障害者については「運輸・清掃・包装等の職業」(8,646件、全体の49.0%)の割合が、他の障害種別に比べて高い状況となっています。
平成27年4月より「障害者雇用納付金制度」の対象事業主が拡大となり、常時雇用している労働者数が100人を超える事業主についても納付金の対象となります。そして引き続き、平成28年4月には改正障害者雇用促進法が施行され、障害者に対する差別の禁止と合理的配慮の提供義務が企業に課されることになっています。企業としては今後の動向に注目し、法定雇用率を満たしていない場合は、早めに求人を出すなどして採用に向けたアクションをとっていきたいものです。
■参考リンク
厚生労働省「ハローワークを通じた障害者の就職件数が4年連続で過去最高を更新/精神障害者の就職件数が身体障害者の就職件数を初めて上回る」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000045834.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。